掌蹠膿疱症の悪化因子がお口の中に存在するケースでは、その因子に対する適切な処置をおこなうことで、掌蹠膿疱症の症状が改善する可能性があります。
歯周病は抜歯原因の中で最も多く、特に50歳以降では歯を失う原因の半数以上を歯周病が占めるようになります。
その歯周病は近年、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病など、命にかかわる重篤な病気のリスクを高めることが様々な研究によって明らかになってきました。
歯周病はもはや歯の寿命だけでなく、命の寿命をも脅かす可能性が指摘されはじめています。歯周病の予防は今後、お口の健康だけでなく、体の健康を守るうえでも必須の課題となってくるでしょう。
歯周病予防の基本は、お口の中にいる細菌を物理的に取り除いていく『プラークコントロール』であり、ご家庭でおこなうプラークコントロールが“毎日の歯磨き”です。
歯磨きは歯周病にかぎらず、すべての歯科疾患の予防の要(かなめ)であることは確かですが、しかし歯磨きだけで歯周病を予防することはできません。
お口の中には300種類とも400種類ともいわれる無数の細菌が生息しています。これらの細菌は互いに共存しながら『プラーク』という集合体を形成し、さらに『バイオフィルム』というバリア(膜)を張りめぐらしています。
このバイオフィルムは薬剤や免疫細胞に対しても強い抵抗力を持つうえ、歯ブラシの力のみで落としきることも困難です。歯磨きで一時的にプラークの量は減らせるものの、このバイオフィルムが残ってしまえば再び細菌は増殖してしまいます。
したがってセルフケアのみで歯周病を予防するにはどうしても限界が生じてしまうのです。
しつこいバイオフィルムをきれいに落とすためには、やはりプロによる専門的クリーニングが不可欠となります。
そこでおすすめしたいのが、歯科医院で定期的におこなう『PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)』です。
PMTCでは専用のブラシやラバー、薬剤を用いながら、歯と歯の間や、歯と歯ぐきの細かいすき間のバイオフィルムも徹底的に除去していきます。
またPMTCは最後に歯の表面をツルツルに仕上げるので、プラークが再付着しにくくなるというメリットもあります。
PMTCの推奨頻度は『3ヶ月に1回』。なぜ3ヶ月かといえば、それ以上の間隔をあけてしまうと、お口の中に残ったプラークが硬くなって“歯石”へと変化してしまうからです。プラークが歯石になるとPMTCでは除去できず、『スケーリング』という歯石除去の処置が別に必要となります。
生涯を通して自分の歯で食事をし、さらに重篤な病気のリスクを回避して健康を維持するために、ぜひ3ヶ月に一度は歯医者さんに通院する習慣を身につけていきましょう。